大規模修繕工事 工程2
2023-04-13
こんにちは岡本です。
第2回目の今回は、建物そのものを直す躯体補修工事のお話をします。
一般的に個人住宅・アパートなどは木造住宅が多いと思いますが、マンションはどうでしょう?
鉄筋コンクリート作り、所謂鉄筋コンクリート造が多いと思います。
そして鉄筋コンクリート造の建物で絶対に直さなければならないのが、
鉄筋がさび付き膨れることでその周りのコンクリートが割れてしまう爆裂という不具合箇所です。
「コンクリートの中の鉄筋が錆びる?それって手抜き工事じゃないの?」と思われる方も多いと思いますが
そんなことはありません。
コンクリートは元々アルカリ性で、長年外気や紫外線に晒されることで酸素を吸収し中性化してしまいます。
雨が染み込むことでその速度は加速します。
更に酸素と雨水を吸収していくと中の鉄筋が空気に触れ酸化するという仕組みです。
鉄が錆びると錆の分だけ膨張し、周りのコンクリートを押し出しコンクリートが割れてしまい爆裂する
という事になるわけです。
建物の劣化は爆裂だけではありません。
地震などの影響で起こったひび割れやモルタル浮き、紫外線劣化による建物表面の細かいひび割れもあります。
特に紫外線は雨水が溜まっている所に直射日光が当たると最悪です。
補修方法はいくつかあり、爆裂に関しては傷んだコンクリートを取り除き錆止めを行い、
モルタルで躯体を形成します。
ひび割れは程度によりますが、電動工具で溝を掘りその中に柔軟性と防水性のあるシーリング材を充填し、
表面をモルタルで形成します。
小さいものはセメントフィラーをひび割れに擦り込めば大丈夫です。
地震の揺れなどによって大きくひび割れた箇所は、直してもいずれ同じようにひび割れる可能性があるので、
目地を新しく作ったりもします。
柱や梁などのこれ以上傷つけたくない箇所のひび割れに関しては電動工具で溝を掘ることを避け、
直接エポキシ樹脂を注入してひび割れを塞ぐ低圧注入という工法もあります。
建物表面のモルタルが浮いてしまっている所には、エポキシ樹脂を使ったアンカーピンニングという工法が
あります。
これは外壁に躯体に届くまでの細い穴をあ開け、エポキシ樹脂を注入し、そこにステンレスのピンを躯体と
表面の浮いているモルタルを跨ぐように入れる事でエポキシ樹脂が固まった時に繋ぐという工法です。
ほんの一部だけ躯体補修のお話をしてきましたが、
この工程を疎かにすると何のために修繕工事を行ったか分からないといった結果になってしまうので、
見た目を綺麗にする美観の向上は勿論のこと、しっかりとした補修を行うことで建物の機能回復に
日々心がけて工事を行っております。
さて、次回はタイル補修工事のお話をさせて頂こうと思います。